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 呑々

■呑々
【ふれこみ】
浅草の人情を感じる。渋い立ち呑み屋。

皆は、この店の大将のことを社長と呼ぶ。社長は少し耳が遠い、だから注文する時は手を上げて社長を呼び、注文表に品名を書いて見せなければならない。この注文表、最後にはレシート代わりとなるのだが、社長は目の方も遠いため、支払いの計算もお客さんがやる。どうだ、すごいだろう?
社長は、もともとこの辺りに数店の喫茶と飲み屋を経営していたが、バブル以降、経営が苦しくなり、ひとつ、またひとつと店を減らしていったという。「最後の砦」と社長は笑うが、彼には砦を守る武将というより、山寺の和尚のような雰囲気がただよっている。

常連たちもその社長の暖かさそのままの人が多い。店の前で入ろうかどうか迷っている一見さんがいると「はい!いらっしゃい」「奥、空いてますよ!」と社長ではなく、常連さんから声がかかる。それにつられて、また一人ふらりと入り、ちょいと酔う。帰りにはみんなが「おさきに〜」「おつかれさま〜」と声を掛け合い、いつの間にか常連になる。そんな店だ。

店舗は戦後すぐ建ったような雑居ビルの一階で、うなぎの寝床のような構造。夕方5時ぐらいには、ビル入口脇に社長が焼物を調理する姿が見える。
店内とビル1階の通路(といっても5mもないが)は壁一枚で仕切られていて、その壁に店舗入り口の扉と大きな窓がある。つまり、学校の教室と廊下のような関係になっているのだ。このうなぎの寝床、すれ違うときは半身じゃないと通れないが、壁に寄りかかりながら飲めるため疲れず、非常に便利な構造。また、廊下の窓のところにはカウンターが、調理場の前の道路にはテーブルが並べてあり、満員で中に入れないお客さんはここで呑むことも出来る。

店内のカウンターには、その日の日刊や夕刊紙が数紙置いてあるため、初めてで会話できない人も新聞を手にとって焼物が上がるのを待てるし、そこから会話が弾むこともある。土地柄、金曜、土曜は競馬検討に訪れる常連さんが多く、競馬談義に花を咲かせたい方にももってこいだろう。

ここまで、店の雰囲気ばかりに行数を使ってしまったが、酒、おつまみともに非常に安くて、毎日でも通える店。さらにココだけの話だが、実はこのビルの二階、怪しいエステ。そこが蒸しタオルを使うらしく、その電熱器と呑々の電子レンジがかち合うとブレーカーが落ちて停電する。この停電イベントは非常に面白いので、体験してみてほしい(エステ体験はそれぞれのご判断にお任せします)。もうひとつ、社長のつくるチューハイ、物凄ぉ〜く濃い(一杯で三杯分酔う)ときがある。その時はアタリだと思ってガッツポーズしよう。
(沢木耕太郎を読んでいたら、こんな文体になってしまいました。え、沢木風じゃない?みなさん趣味のページですので平にご容赦を)

【メニュー】
●飲み物 生ビール(中)380円 ビンビール420円 チューハイ・ウーロンハイ・ハイサワー・ハイボール320円 焼酎お湯割り320円 日本酒320円 
●焼き鳥 生肉、ネギマ、レバ、砂肝、皮、ニンニク すべて100円
●おつまみ イカ塩辛、かわはぎ、スルメ、ハクサイ、味噌キュー、チョリソー、ペッパーサラミなどすべて280円 このほか ウインナー180円などもあります。

【住所・営業時間】
台東区雷門2−19
地下鉄銀座線、都営浅草線浅草駅A4出口左手すぐ、東武伊勢崎線浅草駅徒歩5分
17:00〜23:00(土曜は早じまい21:00か22:00ぐらいまで)

【おすすめ度】★★★★☆(満点は★5つ) 生ビールが安くて、人情があって、妙に居心地のいい店。大好きなお店です。

【女性おすすめ度】★★ うなぎの寝床に女性同士は無理かも、男性と来ましょう。みんな温かく迎えてくれます。

【一緒に行くなら】安達祐実 地元だし、年輩の人に受けがよさそう。
<2004.7.13>






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