こひなた

■立ち呑　こひなた
【ふれこみ】
おつまみオール２００円！安いだけじゃない。マグロといえば、こひなたです。

新橋の二店目はやはりここ。

入り口付近の写真だけ見ると、体育会系の部室を思わせるようなつくり、新橋駅前ビル二号館は飲み屋の雑居ビル、というよりは四畳半一間のアパートです。

ただ、ものすごく店内が狭いかというとそうでもなく、宇宙船のように狭い空間をいかに広く使えるのか、実証実験をしたような快適なつくりになっています。
入り口は二カ所あり、ビルの玄関から向かって奥の方が大きな入り口、手前に小さな入り口となっており、柱が店を分断しています。雰囲気は関西以西の立ち食いうどんのような感じで、お客さんの下半身は丸見えですが、縄のれんがプライバシーを保護しております。

カウンターの向こうには熟女（おかあさん）二名が忙しそうに立ち働いています。この日はお客さんが７、８名で、「ひまなほう」というのだからたいしたもの。忙しい時はカウンターに並びきらないほど、おじさんが来るそうです。

まずはとホッピーセット（350円、黒ホッピー）と熟女オススメのマグロ納豆（２００円）をたのみます。出たばかりの新日銀券「野口英世」を一枚渡して、おつりはカウンターに置いてあったグラタン皿に。仕事で渇いた喉にホッピーが沁みこみます。マグロと納豆を親の敵のように「やあやあ」とかき混ぜ、香りが強くなったところで、醤油を塊にして「ヤッ！ト－！」と放り込み、さらにかき混ぜてマグロとも納豆ともつかないその塊を今度は口に放り込みます。「うまい！」、マグロ卸直営の店だけあり、マグロに力強い甘みがあります。これが200円？？凄すぎです。そのほかのドリンクメニューも角打ちばりの安さで、さすが立ち呑みのメッカに君臨する名店だと唸らされました。

私は狭い入り口の方から入ったため柱で見えなかったのですが、向こう側にあるテレビでは「冬ソナ」に関するニュースをやっているらしく、熟女とおじ様たちが、「あのぐらいだったら俺の若い時の方がよかった」とか「じゃあ３０年前においで」などという、素敵な会話をしていらっしゃいました。
このお店、実は昼の11時から開店してます。「そんな早い時間にやって、お客さんが来るんですか」と聞いたところ「ホテルマンが意外と多いのよね。夜勤明けのホテルマンが寝酒にいっぱいやっていくのよ。あとはわかるでしょ…」と意味ありげな笑顔。なるほどお父さんたちは大変だ。

その後、ホッピーの「なかみ」（１80円）をお変わりした上、ウーロンハイ（250円）とおひたし（200円）を追加。おひたしも熟女にしか出せないような、素敵な味で、柱の向こう側から聞こえてくる会話と同じぐらい堪能いたしました。

今回は小さな方の入り口から入り、隔離された空間での立ち呑みとなってしまいましたが、出来ればテレビのあるほうで、皆さんと会話しながら呑んだ方がおいしいと思います。

【メニュー】
●飲み物　樽生ビール350円　酎ハイ230円　　２５°麦焼酎300円（お湯割り、水割り）　同350円（田舎梅入り）　清酒正一合250円　純米宝寿380円　清酒桜源氏250円　上撰富久娘330円　人生賛歌380円
レモンハイ、ウーロンハイ、梅ハイ、緑茶割り250円　グレープフルーツハイ、トマトハイ（角ジャンボ）350円　ジントニック300円　ワイン250円
●おつまみオール200円　湯豆腐　ポテトサラダ　しらすおろし　ラッキョウニラ　モロキュウ　にこごり、切干大根　浅漬け　メンマ炒め　合鴨団子　じゃがバターなどなど…
●マグロ系オール200円　マグロ刺し　ネギトロ　マグロブツ　マグロぬた…

【住所・営業時間】
港区新橋２－２１－１　新橋駅前ビル２号館
JR山手・京浜東北線　都営浅草線　新橋駅　徒歩０分　ゆりかもめ徒歩２分
11：00～22：00
日祝日休み

【おすすめ度】★★★★☆（満点は★５つ）　おつまみというかお料理はオール200円だし、その味はおふくろの味、うまいですよ。お酒も種類が多くて安い。立ち呑みでこれ以上はなかなか望めないのではないでしょうか。

【女性おすすめ度】★★★　駅前ビルの敷居が高いかも。中に入ればおかあさんたちがやさしく迎えてくれます。おじさんの聖域だからさ、そっとしといてね。
【一緒に行くなら】チェ・ジュウ。気分は冬ソナ「アンニョハセヨ」…ってこのドラマを流行らせた電通さんのお膝元でもありますし。
＜2004．12.26＞